農業・TPPについて

日本(特に新潟県)では美味しいお米が作れる環境が出来ています。稲作に大切な水の管理は田んぼのコックを開くだけで、こんこんと水が湧き出ます。農家は長い年月と土地改良費という莫大な負担をかけて、稲作に適した土地を作ってきました。 土地改良費は水田を所有し続ける限り、毎年かかってくるものです。 国の施策として減反が始まり農業所得が減っていく中で、農家の力は衰え、後継者も育たず、農地放棄が進んでしまいました。高額な土地改良費の検討と共に、農協改革は必須です。


 今、TPPが注目される中、農業関係者はますます米が売れなくなるのではと心配しています。国産米に比べ、外米が極端に安い事を恐れているのです。


 以前に米が不作となり、カリフォルニア米やタイ米が多量に輸入された事がありました。カリフォルニア米はなんとか食べられましたが、タイ米はピラフやリゾットにするなど工夫しなければ日本人の嗜好に合うものとはいえませんでした。ここでカリフォルニア米の進出が心配されますが、カリフォルニアは降水量の少ない土地なので、ネバタ州から水を運んで作っているという事実があります。水不足のアメリカでカリフォルニア米は簡単に量産出来ないということです。


 世界中から注目されているヘルシーな日本料理に、一番適合するのは日本のお米です。日本料理の美味しさはお米が引き立てるのです。今、和食に合うライスミルクの活用も注目されています。

 新潟県の特許で、小麦粉に代わる米粉を製粉可能の技術も確立されています。量産やコスト削減で、米粉を使用しやすい環境にしていく事が、米の消費拡大に繋がります。

 日本ブランドのお米は営業しだいで、他国と十分に競える輸出農産物となりえます。ただし、今の生産コストのまま出荷したのでは成り立ちません。フランスの様に農業を支援する体制が不可欠です。日本農業は「過保護」と言われ続けてきました。しかし、保護費用(特に農産物の価格支持)に相当する予算は急速に削減され、2008年の資料では日本のAMS(国内支持合計額)は農業総生産額の8%、同時期のアメリカは9%、EUは20%。日本は先進国では保護レベルの最低クラスになっています。

 農家へ嫁いだばかりの頃、「どうして田んぼはあちらこちらに在って、効率良く隣り合わせに交換しあったり出来ないのか。トラクター・田植え機・コンバイン・乾燥機は、それぞれ年に30日・3日・7日・7日しか使わないのに共同利用もしないで、それぞれが外国車並みの価格で農舎にあるのか。お米が高くなるのはこのせいだ。農協に食い物にされているのではないか。」と夫に尋ねました。夫は「各農家の農地への手入れの違いで単純に面積だけで土地を交換することは出来ない事や農機具を共同利用した時に使用したい時期が重なる事、破損があった場合の責任問題トラブルを回避する為にやむない事。兼業なので農機具の支払いは給与から支払う。」と。農家にこんな負担を強いる農業政策はいつか破綻すると思いながら理不尽に聞いていました。30年後の今、よくもっていると思います。TPPは10年以内の関税撤廃が原則となっていますので、その間に農産物(特に主食の米)に関しては、例外交渉を進める時間はあります。食料の安全保障は各国が認め合うべきです。


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