為替安定の為の国際連帯税

 先進国が約束しているGNIの0.7%というODA拠出はなかなか達成されにくくなっています。そこで、新たな資金源として、国際連帯税「トービン税」の導入が挙げられます。

 為替相場を安定させることを目的に、為替取引を対象として課税する考え方です。為替の自由化で、巨額になってしまった投機資金により、本来の為替取引の仕組みの様相は全く変わってしまいました。生産や報酬に関与しないお金がお金を生んで、膨れ上がり、日本のみならず、世界的にも、富の格差の一因となっていくのです。貿易決済は世界の為替取引の5%ほどに過ぎず、80%以上が投機の為の短期資金移動となっています。為替相場は安定性を犠牲にするようになり、通貨金融危機が世界各地で発生するようになりました。通貨金融危機が起こると、開発途上国は経済危機に陥り、ますます多くの人々を貧困の中に陥れることになります。先進国においても多くの失業をもたらし、企業は為替取引のリスク対策にコストをかけざるを得なくなっています。

「トービン税」は通貨の卸売市場、つまり銀行やヘッジファンドなどによる取引に対して適用される税であり、海外旅行時に両替所で行う通貨交換(小売市場)には適用されません。 

徴収した資金を途上国の開発資金としたりすることが提案されています。途上国の貧困は先進国にも責任の一端があるといえるからです。

若しくは、徴収した税金の1パーセントでも自国の福祉政策に充てられるなどの取り決めをした場合、各国の取り組み方も違ってくるはずです。為替相場の安定化の手段のみならず、「革新的開発資金調達メカニズム」として、国際連帯税としての「トービン税」の重要な意義があります。


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